大塚雅文「帰国子女でMBA留学までした大塚さんに英語が出来ない人たちの悩みが分かるわけがない」

この仕事をはじめて10年間、特に英語を教える専門家の方々に、こう言われ続けてきました。その為、自分は教える現場に立つというよりも経営に徹してきていました。

しかし、ビジネス英語を一生懸命勉強している人たちを見ていると、その努力が全然報われていない。「英語によるミーティングに出席する機会が増えてきたが5-10分で取り残されてしまい、苦痛でたまらない。何か良いトレーニング方法がないか」と相談を受ける度に、「実は多くの英語教育の専門家たちの見えていないものが私には見えているのではないか」「少なくても時代の変化についていっていないのではないか」という思いが強くなっていきました。

私は毎週英経済紙”The Economist”を読み、最新の経済・ビジネスを中心に洋書を週に1-2冊は読みます。また日本人・外国人問わず世界を舞台に活躍している人たちと出来る限り話すようにしています。すると何となく、世界がどういった方向に向かっていて、それに伴いどういう人材が必要になってくるのかイメージが出てきます。

英語教育、ことグローバル人材化教育に関しては、最近の急激なグローバル化に伴い出てきた問題であり、私を含め誰もその問題をどう解決したら良いか分かっていません。特にリーマンショックを機に世界は大きなパラダイムシフトを迎え、「求められるグローバル人材像」が大きく変化したように感じます。

「帰国子女でMBA留学までした」からこそ、私には他の人が見えない、「日本人のグローバル化を阻む壁」がはっきりと見えてくるのです。こうした壁を一つ一つ取り除いてあげたい。ちょっとした気づきで一気にグローバル化した人を何人も見てきました。

肩書き国籍に関係なく、世界中の人々と
オープンなCommunicationが取れる人材

英語によるDiscussion・問題解決の場で
積極的に参加・貢献していける人材。

こうした人材を一人でも多く輩出するお手伝いが出来れば、これほどうれしいことはありません。

主戦消費マーケットが先進国から新興国へ猛スピードで移り変わっている中、英語という言語が世界共通のシンプルなコミュニケーションツールに劇的に変化してきています。私は英語力はTOEIC(R) 500点もあれば十分だと思っています。その英語力をいかにコミュニケーションツールとしてきちんと使いこなすか。これが非常に重要になります。

しかしずっと日本に住んでいると(外国人から見て)我々自身が「独特なコミュニケーションの取り方」をしていることに気付きません。そもそも「他にもコミュニケーションの取り方がある」という発想自体ない方が多い。私は日本人のグローバル化を阻むマインドセットとして

  1. 分からないことがあったらまず自分で調べてから聞きなさい。
  2. 考えはまとめてから話しなさい。
  3. 自分で出来ることは全て自分でやりなさい。

の3つが無意識に我々のDNAに刷り込まれている。そして多くの人がこの「日本人独特のマインドセット」のまま英語を話そうとしている。これこそ「どんなに英語を勉強しても仕事で通用する気がしない」と多くの人を苦しめている真の原因なのではないかと感じています。何しろグローバルはこれとは全く正反対のマインドセットで動いています。

  1. 分からないことがあったらタイミング、頻度関係なくその場で止めて聞く。
  2. 考えは相手を抱き込みながら一緒になって考え、まとめていく。
  3. 自分でなくても出来ることは他の人に任せて、自分の得意なことで貢献する。

私は帰国子女で日本の小学校教育がすっぽり抜けているので今でも全ての都道府県の位置が分かりません。普通の日本人なら知らなければならない一般常識の多くが欠けており「お前そんなことも知らないのか?」と何度も言われては友人に笑われる。すると恐くて何も聞けなくなる。結果的に本当はその場で確認しなければいけないのに恥をかきたくないので後で調べるようになってしまう。

同じように「君はいったい何をいいたいんだね?」と偉い人に叱られ、何度も恥をかかされると、その場で何か思いついてもきちんと考えを整理してからでないと話せなくなる。だから折角面白いことを思いついてもその場で言わずに黙ってしまう。しかし、黙っていると外国人は「この人何を考えているんだろう?」と不安になります。

英語力は身につけるのにはある一定の時間がかかりますが、マインドを変えるのは時間軸は関係ありません。グローバル・マインドを3ヶ月で一気に身に付ける。こうしたお手伝いが出来ればこれほどうれしいことはありません。